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有田焼-佐賀の伝統工芸

有田焼との出会い
お隣佐賀県の伝統工芸の数々が見られる有田町、そこで毎年開かれる有名な有田陶器市をともかく一度見てみようと思い、ハウステンボス・近隣長崎旅行の帰りに有田町に立ち寄ったのが有田焼との出会いになりました。

 

 

酒井田柿右衛門窯
2018年5月 柿右衛門窯の様々な磁肌「白の美しさ」と赤をはじめとする「色絵の美しさ」、また柿右衛門独特の構図から成る「余白の美」が楽しめる十五代・酒井田柿右衛門窯の作品にたどり着きました。

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中仙窯 中尾恭純・中尾英純・中尾純
2019年1月11日 福岡三越9階・岩田屋三越美術廊で、中仙窯・中尾純さんの作陶展がありました。
美術廊には中尾純さんがおられ、お話をすると共に青白磁において精密なカットで表現されている花器と皿が目に留まりました。

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2015年5月 中仙窯さんを訪問しました。
中尾恭純さんの息子さんである純さんが、朝日新聞社主催の第50回記念西部伝統工芸展で大賞をを取られたとのことでした。
その作品が青白磁鉢で、非対称の稜線が配置されている鉢で、見る方向や角度によって表情が変わり、従来の概念にとらわれない意欲作だったとのことです。

2014年5月 有田焼卸問屋街・有田陶磁の里プラザのとあるお店にて購入したものです。
このお店はかなり広く、ガラスのショーケースがずらりと並んでいて、いろいろなものが見られますが、中仙窯の作品として青色が大変目立つと共に、中の白磁が光輝いて見える鉢に見入ってしまいました。

私にとって、青色は会社人生そのもので、1982年ANA30周年を記念して、航空機の塗装が現在の青色基調に変わりましたが、この青色を「トリトンブルー」と呼んでいます。
トリトンはギリシャ神話から来ていて、正式名はトリートーンで、トリートーンは嵐を鎮める「安全の神」として崇められ「安全運航」を願って採用されました。

鉢の周りの色はそのトリトンブルーであり、中の白磁の部分からは14本の光が輝いるかのごとくで、さらには皿の縁が波を描いて、トータルバランスとアイディアに富んだ素晴らしい作品でした。

その後、窯元めぐりの一環として中仙窯に立ち寄りました。
奥様にご案内いただくと共に、作者・中尾英純さんがおられ「和紙を切り一枚一枚を重ね合わせながら色付けをする」という和紙染め技法を話していただきました。

和紙染ぼかし文鉢  中尾英純作

 

 

仁窯 小畑祐司
2018年12月26日 福岡三越9階・岩田屋三越美術廊で、仁窯・小畑裕司さんの作陶展がありました。日本人の心の花ともいえる「桜文様」の作品を中心に、色絵の美しさを花器や香炉などの美術品をはじめ、コーヒー碗皿やマグカップ、ぐい呑みやそば猪口まで、多数の作品が展示されていました。

美術廊には小畑裕司さんがおられ、直接にご案内をされておられましたので、以前お会いして下記写真・香炉を購入させていただいた旨のお話をすると共に、今回も精密な筆遣いで表現されている「桜文様」が豊富で素晴らしいマグカップが目に留まりました。

 

2015年5月 仁窯を訪問したところ、作者の小畑祐司さんにお会できていろいろな話をお聞きする中あまごと桜文筒香炉に目が留まりました。
特長である桜・枝・葉が香炉周りにバランス良く描かれていて、桜色が明るさを感じさせてくれています。
また、蓋にある香抜けの穴の形がそれぞれに違い、それらを上手くすり抜けて桜・枝・葉が描かれていて、作業の繊細さを感じました。
さらには、下に魚が描かれていて、頭から尻尾までひれやうろこがともかく細かく描かれていて、感心してしまいました。

あまごと桜文筒香炉

 

 

奥川俊右衛門窯 奥川真衣子
2018年5月 移転された奥川俊右衛門窯を訪問しました。奥川真衣子さんとお会し作品をいろいろと見せていただきました。

しおり: 私は有田町に生まれ、祖父は国の無形文化財指定・初代奥川忠右工門、父は現代の名工・奥川俊右衛門、磁器の世界の中で育ってまいりました。やきものを制作する環境が整っていることに感謝し、技の習得に励み、私なりの作品作りをめざしております。
陶歴
1975年 有田町に生まれる
2000年 佐賀県立有田窯業大学卒業
2000年 師匠、俊右衛門のもとで修業
2005年 九州・山口陶磁展入選
2007年 九州・山口陶磁展朝日新聞社賞受賞
西部伝統工芸展奨励賞受賞
佐賀県展入選
日本伝統工芸展入選
2008年 西部伝統工芸展朝日カルチャーセンター賞受賞
2010年 有田陶芸協会会員
2012年 日本工芸会正会員
2013年 陶美展入選
2016年 現在形の陶芸萩大賞展Ⅳ入選他 入選作品多数

花瓶

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2013年4月 チューリップ皿は有田焼卸問屋・有田陶磁の里プラザ のあるお店にて見つけました。
奥川俊右衛門さんの娘さんの真衣子さんの作品だということでした。
チューリップの花の色・淡いピンクがアクセントになっているデザインで、ハウステンボスの春の花・チューリップを記念して購入しました。

チューリップ皿

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奥川俊右衛門窯 奥川俊右衛門
2016年11月17日 ハウステンボス泊の翌日午前中、まずは陶山神社にお参りし、陶祖李参平の碑へ行きました。
そして、奥川俊右衛門窯 を訪問、奥様の奥川弘子さんがおられ、白磁の世界というギャラリーを案内していただきました。
白磁は、口と肩と高台で決まるとのことで、大きな作品から小さなものまで、それぞれに独特な雰囲気を持った作品を見せていただきました。

そして、なんとなんと柔らかな丸みの曲線をもつ器の胴に、そしてしなやかに伸びた尖塔が一体となった花器・一輪挿しが目に入りました。
中ほどにはスペードの形に空いたしなやかな口が、その口の位置が、そして全体のバランスが、私の気持ちを和ませてくれました。
気になったのは制作方法で、およそ12cm高さの上の尖塔の部分と下の胴の部分が別々に作られ、合わせたものだと思っていましたが、奥様曰く、下の胴の部分はへらで形を整えるが、後は残った粘土を指でつまみあげて円錐状に、さらにつまみあげて細い尖塔にしていき、全体が一体ものとして出来上がるとのことで、珍しい作品として大変気に入りました。

  

2010年5月 有田焼に出会い始めた当初、有田町のみならず波佐見町の波佐見焼・陶芸の館 観光交流センターにも行ったものでした。

ある日、棚にぽつんと置かれている下の写真・丸花瓶を見て、まずは何と気持ちの良い丸みと丸みから立ち上がる口元だと感じました。
その気持ち良い丸みの白磁に彫られている淡い花と葉の大きさが、なんとすばらしいバランスで描かれているのだろうと感じながら、ついつい見入ってしまいました。

それが、奥川俊右衛門さんの作品だということがわかりました。
当時は、写真のごとく掘り込んだすずらん紋自体に青磁釉を施していますが、現代ではすずらん紋の外側に青磁釉を施すやり方になっているとのことで、その違いに時代の変革みたいなものを感じました。

青白すずらん紋 丸花瓶

 

 

真右エ門窯 馬場九洲夫
2016年11月 釉中に含まれる銅分が、窯の中で強い還元の炎に出会った時に発する赤色を天然鉱物の硫化水銀の色にたとえて辰砂というそうです。
今までの磁器の雰囲気とは全く違い、何か化学的な反応をもつ作品になるとのことです。
明朝の時代には、宝石のような美しさと評価されていたそうです。
辰砂には淡い辰砂から濃い辰砂まで様々で、真右エ門窯は濃厚なルビーの辰砂を目指しているそうです。
厳選された磁器のみを素材に使用し、1300℃の中で長い時間をかけて焼きあげられる神秘的な赤の世界だとのことです。
発色の良い秀作とのことで、色彩美が十分に楽しめる作品でしたので大変気に入りました。

朝霧大皿 九州夫作

 

日本磁器誕生・有田焼創業400年 400年有田の魅力展
2016年3月 福岡三越9階にて、400年を経た今、更なる進化を求めてやまない有田焼の魅力、日本磁器誕生・有田焼創業400年 400年有田の魅力展 として、福岡三越で紹介されました。
今から400年前の1616年、有田の泉山で陶石が発見され、透きとおるように美しい白磁の焼きものを作ったことが有田焼の始まりと言われています。

現代有田の名匠作品展では、井上萬二さん、十四代今泉今右衛門さんなど、重要無形文化財(人間国宝)の作品の他、十五代酒井田柿右衛門や現代有田を代表する作家の優れた作品を見ることができました。
また、有田焼名窯特集として、有田を代表する今右衛門窯、柿右衛門窯、源右衛門窯、香蘭社、深川製磁など、人気の名窯の代表作品などなどが展示販売されていました。
さらには、伝統工芸士の方が、ろくろ整形・下絵付け・上絵付けなどの実演を見ることができました。

そのような中、ふと目に留まったのが次の作品でした。
壺の口の形と図柄、磁器の両取っ手の形、壺の丸形状並びに中央から台座にかけてのふくらみ、そして花菖蒲と菊唐草の図柄、さらに台座の形と図柄などなど、全体では扁壺(へんこ)としての面白さ、染付としての質素さにも見入ってしまいました。

 

 

 

佳秀窯 西山正
2015年 佳秀窯を訪問させていただきました。
白磁の白さと共にカップの淵がいろいろな形に切られていて、しかも優しそうな丸みを持って成型されています。また、カップ両サイドに三つの穴がバランス良く置かれていて、しかもそれぞれが違うサイズで開けられていて、全体の雰囲気の良さに、何とも言えない感覚を味わいながら、見入ってしまいました。
さらには、白磁フリーカップとして作品名がクリスマス・イブという、何か和風の中に洋風を感じさせるものがあり、一目ぼれしてしまいました。

白磁フリーカップ クリスマス・イブ

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聡窯 辻聡彦
2015年3月 聡窯さんを訪問しました。
JR上有田駅(佐世保線)から徒歩1分のところに総窯の煙突と共に大きな工房があります。
あいにくご主人は出張でご不在でしたが、奥様に案内されて工房の作業場まで案内していただくと共に、作業・作品の特徴について説明をしていただきました。
ショールームに戻る途中、ちょっとした傷がある作品が並ぶ棚を案内していただきましたが、そこで驚きの発見がありました。

聡窯の特長は、成型後のまだ半乾きの状態で線を刻んだり盛り上げたりすることだそうです。
表面の様々な盛り具合にて立体感や奥行きが作られている作品で、特にライト類の丸く盛り上げているところがたまりませんでした。
そして、エッフェル塔からモンマルトルの丘までの景色はもちろん、花器の横面まで描かれていて、さらには裏面にも淡い空が描かれている作品で、パリ駐在の記念としとて購入しました。

花器 エッフェル塔からモンマルトルの丘・サクレクール寺院

 

 

藤井勝雲窯 藤井勝雲
22015年3月 有田焼卸問屋街・有田陶磁の里プラザ のあるお店にて購入したものです。
そのお店のガラス戸入口に立った時に、ふとガラス越しに見える壺に描かれたひまわりを見た瞬間、何か不思議な感情に包まれました。
中へ入り、近づいてみると、一つ一つのひまわりが何と艶やかで細かく、またそれぞれの花の咲き具合が少しずつ違い、花びら一枚一枚がくっきりと、さらには葉の濃淡一枚一枚がくっきりと、下地の赤と共にバランス良く描かれていて、思わず見入ってしまいました。
さらには、何か陽気さが壺の周りから出ているかのような雰囲気が感じられ、一目惚れしてしまいました。

染錦向日葵紋壺

そして、そのお店のご主人に教えてもらった藤井勝雲窯に訪問しましたところ、上書きが厚く塗られていて、デザインそれぞれが浮き上がって見えるのが特徴の秋桜紋コーヒー碗もまた目に留まりました。

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源右衛門窯 訪問記

2016年11月 HP「ギャラリー優美彩華きくち」に公開、そのHPに源右衛門窯さんをご紹介させていただいている旨のご挨拶を兼ねて訪問しましたところ、営業部部長さんにご案内いただきました。
源右衛門窯のHP「ギャラリー」にある「食卓の焼き物」から「青磁 木の葉文 洋食器揃」が目に留まっていましたので、まずはその作品を見せていただきました。
江戸初期に遺された丸尾古窯系青磁の高度な技術を、源右衛門窯が困難を克服して復元した青磁で、昭和50年、ニューヨーク・ティファニー社と共同で製作し、当時「Tiffany 源」というブランド名で発売したとのことでした。
源右衛門窯の皆様にとって、この「青磁 木の葉文 洋食器揃」は、かつて祖先がもっていた穏やかな日常感覚を呼び戻してくれる優しさを醸し出しているとのことで、私たちもついつい見入ってしまいました。
青磁 木の葉文 洋食器揃
洋食器揃

さて、源右衛門窯とは「古伊万里の伝統を現代に」ということで次のように紹介されています。
有田焼には、大きくわけて3つの様式があります。
「柿右衛門」様式は、乳白色の「濁手」釉と赤絵の美しい華麗な磁器で、輸出初期の花形として海外で高く評価されました。
「鍋島」様式は、鍋島藩の御用窯で焼かれた精緻で格調高い磁器で、幕府や諸大名、朝廷に献上されました。
「古伊万里」様式は、柿右衛門・鍋島系を除く幕末以前の有田焼すべてを含んでいます。
旺盛な時代感覚とバイタリティが赴くままの多様な絵付けが特長で、江戸期有田陶工の創造性が息づき、時代とともに美しく変貌する「古伊万里」ならではの魅力的な表情を秘めています。
現在、源右衛門窯では、本物の「古伊万里」を創った江戸陶工の精神の高みと手技、そして六代・源右衛門の遺志をしっかりと受け継ぎ、時代と暮らしを直視した磁器の機能美を追求。
日常食器からインテリア・工芸品まで幅広い分野の新作を開発するとともに、ハンガリーの名窯ヘレンドとのコラボレーションや、磁製万華鏡、磁製万年筆など新分野にも果敢にチャレンジし、時空を超えた「古伊万里」の美の創出をめざします。
古伊万里風 菊牡丹絵 万華鏡
万華鏡

 

冠音窯 松本幹治郎
2015年3月 有田焼卸問屋街・有田陶磁の里プラザ のあるお店のご主人から唐津焼発祥の地にして、磁器を専門とする珍しい窯で、窯主の松本幹治郎さんは、唐津焼とは違う美を追い求め、有田の窯元数カ所で18年間の修行を積まれたとのことでした。

冠音窯・松本幹治郎の紹介
http://www.umakato.jp/waza/artist/artist57.html

花瓶下の青の部分が空に流れる雲の様子を、そしてその上には淡い赤が遠くで薄らと残る夕日のような様子を表わしています。
さらに、その上には自然の何かがうごめいているかのような力強いものを感じると共に、何かやすらぎを覚えるような雰囲気が出ていて、ついつい見入ってしまいました。

淡彩雲紋 丸花瓶

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伊万里鍋島焼

市川光山窯
2020年12月 アクロス福岡の匠ギャラリーにて「伊万里鍋島焼」の展示会にて、いろいろな作品が飾ってある中で、桐箱の上に置かれている白磁で統一された透かし彫り香炉に見入ってしまいました。

透かし彫りのデザインが曲線枠に花模様の曲線をいくつも複雑に香炉自体と香炉蓋に織り込んでいる凄さ、さらに香炉を支えている3本足のそれぞれにも透かしが織り込まれていて、今までに見たことがない透かし彫りに大変感動しました。

畑萬陶苑
ショールームに入ると、上の写真二つが出窓の棚に置いてあり、光の差し込みでクローバーの透かしの部分とあやめの透かしの部分がうっすらと光っていて、それぞれに浮き出ているよう見えて大変きれいでした。毎日ビールを飲む際には透かしが薄っすらとビール色になり楽しでいます。
その他作品も飾り楽しんでいます。

究極の透かしビアカップ

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 花器

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香炉

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魯山窯

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瀬兵窯

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三川内焼

十三代平戸藤祥五光窯

2021年3月 アクロス福岡の交流ギャラリー「女性伝統工芸士展」にて、伝統工芸士・作家の方々によるいろいろな作品が展示されている中、はじめて出会うことになる三川内焼のテーブルに展示されている「小物入れ」のデザインに見入ってしまいました。
陶芸家陶画家の藤本江里子さんに「置き上げ金彩紋様」の古平戸技法につきお話いただきました。